凝縮伝熱による乾燥力
過熱水蒸気の高い乾燥能力は、凝縮伝熱と呼ばれる熱伝導のしくみに起因します。過熱水蒸気は乾燥対象物に触れると運動エネルギーと内部エネルギーを失い、水滴になります。この時に乾燥対象物に渡される内部エネルギーは「水の気化熱」と呼ばれる非常に大きなエネルギーであるため、熱風乾燥に比べ、高い乾燥力を発揮します。
油脂が気化する高熱処理
食材に含まれる油脂は、ほとんど融点が100℃以下です。そのため、食材を100℃以上で加熱すると表面に油脂が液化してしみ出してきます。これに300℃以上の過熱水蒸気を当てると油脂が沸点を超え、気化が始まります。食材毎に最適な温度で加熱すると、適度に油が抜かれたこれまでにない状態の食材を生み出すことができます。
低酸素環境で酸化防止
過熱水蒸気ジェネレータは、密閉された内部で100%水蒸気の気体を生成します。空気の混入は極めて少ないため、低酸素環境を作り出すことができます。これにより、有酸素環境では酸化が進んでしまう300℃以上の高温下の加熱処理を長時間行うことができます。
微粒化処理でパウダー化
過熱水蒸気ジェネレータによる乾燥+脱油プロセスを経ることで、これまで粘性が高く破砕が困難だった食材を微粒化することが可能になります。食材をパウダー化することにより、長期保存が可能になるだけでなく、料理における新たな可能性が拓けます。